エネルギー資源の世界史

エネルギー資源の世界史
利用の起源から技術の進歩と人口・経済の拡大
編著=松島 潤 執筆=川崎達治、窪田健二、鈴木秀顕、高橋豊、冨田新二、早坂房次、林農、松田智

B6サイズ/456ページ/4000円+税/2019年4月15日発売/ISBN978-4-909383-10-5

余剰エネルギーが拡大させた世界と日本の文明史
人類祖先による効率的なエネルギー利用の始まり、農耕の成立とエネルギーの貯蓄分配、産業革命期におけるエネルギー変換技術の革新、さらに利権の占有を目指す国際企業の盛衰とパワーバランスをめぐる国際政治の動向など、エネルギー利用技術の進歩と同時にその歴史背景と世界史へのインパクトを、貴重な図版資料や詳細な解説とともに描き出す。(オンライン版では多数のコラムも収録!)

『エネルギー資源の世界史』では、ご購入者さまが巻末のパスワードを使うと全ての内容が読めるオンライン版を用意しています。 ここでは「第1章」を公開していますので、どうかどなた様もご自由にお楽しみください。

 〈本書の特徴6つ〉

1 エネルギー資源の世界史へのインパクトを網羅!

人類祖先から始まったエネルギーの効率的な利用技術の進歩、利用するエネルギー資源の種類の増加の歴史を収録し、世界の文明史を推進してきたその具体的プロセスを紹介

2 世界の主なエネルギー利用技術の発展を収録

石炭の大規模生産やカーボンニュートラル技術の開発、エジソン対テスラの図式をとった「電流戦争(直交論争)」による交流技術の普及など、現代の生活基盤を築いたエネルギー利用技術の詳細を収録

3 技術開発などに大きな貢献をした人物のエピソードも収録

エネルギー概念の形成の端緒となったベッヒャーやトンプソン、石油産業の勃興させたドレーク、鉱山排水機関を開発したニューコメン、福岡の石炭産業を築いた山本作兵衛など、利用技術の開発、資源の探索に貢献した人物の活躍を収録

4 世界各国のエネルギー資源利用の推移を収録

中国の水力発電・石炭産出量の拡大、オーストラリアに見る石炭産出量の急増、フランスに始まり米国が主導した原子力開発など、世界情勢とも連動して推移する様を紹介

5 エネルギー資源に関わる世界的企業の盛衰

石油産業をもとに国際的なコンツェルンを築いたロックフェラーやノーベル兄弟会社、原子炉開発に開発当初から携わってきたウエスティングハウス社など、世界的企業の活動を紹介

6 日本のエネルギー資源利用の発展史にも注目

渋沢栄一や岡本櫻による日本のガス事業の確立、家庭用プロパンガスの普及経緯、福岡などの製塩産業における石炭利用の推進など、日本の各時代・地域で勃興した各種エネルギー産業を解説

目次

第1章 エネルギー利用の起源と人類の文化的進化
人類の大移動︱人類学から指摘される正味エネルギーの重要性/狩猟採集から農耕へ︱エネルギーの流れの大転換/エネルギー利用の進化と人間の文化的進化/繰り返された古代帝国の崩壊︱エネルギー的視点から/産業革命︱低エネルギーから高エネルギー社会への転換/ジェボンズのパラドックス/人口変動とエネルギー

第2章 エネルギー概念の形成史
不可視なエネルギーの認知/エントロピー/エクセルギー/エネルギーの「質」に関する探求/エネルギー収支比/生態系の進化とエネルギー収支比/最大能力原理と生物

第3章 エネルギー利用技術の歴史的概観
エネルギー利用技術の概観/第1次エネルギー革命︱火の利用/産業革命以前のエネルギー事情/第2次エネルギー革命︱熱機関の発明/第3次エネルギー革命︱流体燃料の利用/エネルギー生産者と消費者の分離︱2次エネルギー(電力・石油製品)の利用

第4章 エネルギー資源と経済の歴史的概観
富の源泉に関する認知の変遷/経済的活動におけるエネルギー資源の役割/原油高騰が経済・社会に及ぼす影響/スタグフレーション/エネルギー資源論の視点からみたリーマン・ショック/「Best first」の原理︱最も経済価値の高いエネルギー資源から開発される

第5章 石油
鯨油から石油への転換/エドウィン・ドレークと石油産業黎明/アゼルバイジャンにおけるノーベル兄弟石油会社/地下に眠る石油を探査するための地球科学の誕生/岩塩ドームの発見とスピンドルトップ油井の開発/石油ピーク論争/シェール層開発の技術革新

第6章 天然ガス
世界の天然ガス普及の歴史/日本の天然ガス普及の歴史/ガス事業の歴史/天然ガスの魅力と利用拡大/都市ガスの安心・安全の歴史/コラム 都市ガスの発熱量/コラム 家庭用プロパンガス(LPガス)の歴史

第7章 石炭
石炭の発見/産業革命と幕末︱明治期の石炭開発利用/人力採炭から機械採炭へ/災害との戦い/石炭のガス化・液化/石炭貿易の本格化と大規模生産/大国の変化、新たな生産国の出現

第8章 水力
電気事業事始︱草創期の電気事業/エジソンvsテスラ/水力発電の発展/計画経済・世界恐慌・ニューディール・戦時経済体制と水力開発/戦後の復興と傾斜生産方式/水力発電の種類と仕組み/「水主火従」から「火主水従」へ/揚水式発電の普及/自然変動型電源の大量導入で高まる揚水式発電への負担/再生可能エネルギーの中で大きな役割を果たす水力発電/中小水力/世界の水力発電

第9章 原子力
物理学の巨人たちと原子力/原子力利用の可能性/各国の威信をかけた原子力開発/日本の原子力発電の導入/原子力発電の仕組みと原子炉の分類/スリーマイル、チェルノブイリそして福島第1原子力発電所事故/世界の原子力は中・印・露の時代に?/使用済み原子燃料の再処理と核不拡散問題/高レベル放射性廃棄物の処分問題︱各国の候補地と我が国でも科学的適地が公表/第4世代原子炉をめぐる動き/原子力の世界における新たな潮流?「小型モジュラー炉」/水素社会の隠れた本命?「高温ガス炉」

第10章 ソーラーエネルギー
再生可能エネルギーの台頭︱東日本大震災の様子から/ソーラーエネルギーの歴史︱地球の誕生、生命の誕生から/エネルギーとは何か/ソーラーエネルギーの活用/太陽熱エネルギーの利活用/ソーラーエネルギー産業/ソーラーエネルギーの食住への利用︱建築、農業/再生可能エネルギーを中心とした社会デザイン

第11章 バイオマスエネルギー
バイオマスとは?/バイオマスエネルギー利用技術/バイオマスを利用する上で考慮すべき因子

第12章 地熱エネルギー
地熱利用のはじまり/地熱発電技術の進展と地熱発電の拡大/地熱エネルギーの様々な利用方法/再生可能エネルギーとしての地熱エネルギー/近年における地熱利用

第13章 風力エネルギー
風の特性と風力の利用/風力発電開発への序章︱1881年まで/風力発電の夜明け︱1890~1905年/20世初めにおける風力発電の発展︱1903〜1930年/第1次世界大戦後の衰退と現代型風力発電機の誕生︱1920~1960年/石油危機が世界の風力発電の発展を推進︱1973~1986年/地球環境問題対策としての風力発電︱1980年~現在/洋上風力発電︱1991年~現在

【筆者紹介】(執筆当時)
第1・2・4・5章 松島 潤:東京大学大学院工学系研究科准教授
第3、11章 松田 智:静岡大学大学院総合科学技術研究科准教授
第6章 川崎達治:東京ガス株式会社
第6章 高橋 豊:東京ガス株式会社
第7章 冨田新二:石炭エネルギーセンター技術開発部次長
第8、9章 早坂房次:東京電力エナジーパートナー株式会社
第10章 鈴木秀顕:社会デザイン協会理事
第12章 窪田健二:電力中央研究所地球工学研究所主任研究員
第13章 林 農:鳥取大学名誉教授

ミエリン鞘はとも呼ばれ、軸索に巻き付いて絶縁体として働く構造である。これにより神経パルスはミエリン鞘の間隙を跳躍的に伝わる(跳躍伝導)ことで神経伝達が高速になる。ミエリン鞘は末梢神経系の神経ではシュワン細胞、中枢神経系ではオリゴデンドロサイトから構成される。

脳の中にある空洞のこと。脳脊髄液で満たされている。脊髄にあるものは中心管と呼ばれる。

神経堤細胞は脊椎動物の発生時に見られる神経管に隣接した組織。頭部では神経、骨、軟骨、甲状腺、眼、結合組織などの一部に分化する。

細胞の生体膜(細胞膜や内膜など)にある膜貫通タンパク質の一種で、特定のイオンを選択的に通過させる孔をつくるものを総称してチャネルと呼ぶ。筒状の構造をしていて、イオンチャネルタンパク質が刺激を受けると筒の孔が開き、ナトリウムやカルシウムなどのイオンを通過させることで、細胞膜で厳密に区切られた細胞の内外のイオンの行き来を制御している。刺激の受け方は種類によって多様で、cGMPが結合すると筒の穴が開くものをcGMP依存性イオンチャネルと呼ぶ。TRPチャネルも複数のファミリーからなるイオンチャネルの一群であり、非選択性の陽イオンチャネルである。発見された際に用いられた活性化因子の頭文字や構造的特徴から、A (Ankyrin), C (canonical), M (melastatin), ML (mucolipin), N (no mechanoreceptor), P (polycystin), V(vanilloid)の7つのサブファミリーに分類されている。TRPは、細胞内や細胞外の様々な刺激によって活性化してセンサーとして働いたり、シグナルを変換したり増幅したりするトランスデューサーとしての機能も併せ持つ。温度センサーやトウガラシに含まれるカプサイシンのセンサーとしても機能していることが知られている。

任意の遺伝子の転写産物(mRNA)の相同な2本鎖RNAを人工的に合成し生物体内に導入することで、2本鎖RNAが相同部分を切断して遺伝子の発現を抑制する手法。2006年には、この手法の功績者がノーベル生理・医学賞を受賞している。

様々な動物種間で塩基配列やアミノ酸配列を比較することによって、類似性や相違を明らかにする手法。この解析によって動物種間の近縁関係や進化の過程を予測することが可能になる。

発生過程で神経管を裏打ちする中胚葉組織であり、頭索類・尾索類では背骨のような支持組織としての役割を持つ。脊椎動物では運動ニューロンの分化を誘導するなど発生学的役割を持つ

魚類に顕著にみられる鰓のスリットで、哺乳類では発生の初期にはみられる。発生が進むと複雑な形態形成変化が起き、消失するが、外耳孔などは鰓裂の名残ということができる。

動物の初期発生において最初の形態形成運動として原腸陥入が起こる。原腸は消化管に分化する。この原腸陥入によって生じる「孔」を原口と呼ぶが、これが将来の動物の体の口になるのが前口動物であり、肛門になるのが後口動物である。半索動物、脊索動物は後口動物である。

ナマコの幼生のことをオーリクラリア幼生と呼ぶが、ウニのプルテウス幼生、ヒトデのビピンナリア幼生、ギボシムシのトルナリア幼生など、形態的共通性をもつ幼生全体をまとめてオーリクラリア(型)幼生と呼ぶ。今日ではディプルールラ型幼生という呼び方が広く使われている。この説はガルスタングが1928年に提唱した。その時代にはオーリクラリアという用語が使われたため(ディプリュールラ説ではなく)オーリクラリア説と呼ばれている。

Hox遺伝子はショウジョウバエで発見されたホメオティック遺伝子の相同遺伝子である。無脊椎動物のゲノムには基本的に1つのHoxクラスターがあり、脊椎動物のゲノムには4つのHoxクラスターがある。Hoxb1は4つあるクラスターのうちのBクラスターに属する1番目のHox遺伝子という意味である。

脊椎動物胚の後脳領域には頭尾軸にそった分節性(等間隔の仕切り)がみられる。この各分節をロンボメアと呼び、図14に示すように7番目までは形態的に明瞭に観察できる。

脊椎動物のゲノムにはふたつか3つのIsletが存在する。Isletは脳幹(延髄、橋、中脳)の運動性脳神経核に発現して、運動ニューロンの分化に関与している。

感桿型では光刺激はホスホリパーゼCとイノシトールリン酸経路を活性化させる。繊毛型ではホスホジエステラーゼによる環状GMPの代謝が関与している。

気嚢による換気システムは獣脚類と呼ばれる恐竜から鳥類に至る系統で段階的に進化していったと考えられる。

このような特異な形態は胚発生期には見られず、生後に発達する。その過程は頭骨に見られる「テレスコーピング現象」と並行して進む。