スポーツがつくったアジア

スポーツがつくったアジア

筋肉的キリスト教の世界的拡張と創造される近代アジア

著=シュテファン・ヒューブナー/訳=高嶋 航・冨田幸祐
B6サイズ/548ページ/6000円+税/978-4-909383-00-6/2017年11月13日発売

圧倒的なパワーと影響力により、スポーツを通して試みられた欧米による西洋的価値観の移植戦略と、それに応じてとられたアジア各国の近代化戦略。両者の間の複雑なダイナミズムを跡づけるグローバルヒストリー。
【すいせんの言葉】
坂上康博(一橋大学大学院社会学研究科・スポーツ社会学 教授)
「スポーツの歴史をテーマとした本で、これほど刺激に満ちたものがかつてあっただろうか。」
スヴェン・サーラ[Sven Saaler](上智大学国際教養学部 教授)
「スポーツ史はもちろん、アジアの地域主義の歴史に関心を持つ人々にとっても、必読である。」
島津直子(イェール大学=シンガポール国立大学院 正教授)
「本書はスポーツのグローバルヒストリーがいかに書かれうるかの好例として見ることができよう。」
【目次】
序 論
第1章 筋肉的キリスト教と西洋の「文明化の使命」
第2章 一九二〇年代から一九三〇年代の極東大会と西アジア大会
第3章 ネルーのスポーツを通じたアジア建設
第4章 「自由世界」に属する「自由国家」
第5章 「我々にオリンピックを与えたまえ」
第6章 インドネシアを非同盟アジアの灯台に変える
第7章 国王、軍、タイの発展
第8章 イランとインド洋地域計画
結 論
大会の主催者
汎アジア主義とナショナリズム
近代化、発展、ネイションのブランド化
【筆者紹介】
シュテファン・ヒューブナー(Stefan Huebner)
ヨハネス・グーテンベルク大学で修士号取得、ヤーコプス大学で博士号取得。その後、ミュンヘン連邦軍大学でリサーチフェローをつとめ、現在はシンガポール国立大学リサーチフェロー。専攻は近現代史。主な著書に、“Muscular Christian Exchanges: Asian Sports Experts and the International YMCA Training School (1910s-1930s).” In: Giles Scott-Smith / Ludovic Tournès (eds.), Global Exchange: Scholarship Programs and Transnational Circulations in the Contemporary World (19-21st Centuries). New York: Berghahn Books, 2017, 119-142 (in print)がある。
【訳者紹介】
高嶋 航(たかしま・こう)
京都大学で博士号取得。現在は京都大学文学研究科准教授。専攻は東洋史。編著書に、『帝国日本とスポーツ』(塙書房、2012年)、『軍隊とスポーツの近代』(青弓社、2015年)、『中国ジェンダー史研究入門』(京都大学学術出版会、2017年刊行予定、共編)がある。訳著には梁啓超『新民説』(平凡社、2015年)がある。
冨田幸祐(とみた・こうすけ)
東海大学大学院体育学研究科を経て、現在は一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程(2017年10月現在)。修士(体育学)。専攻はスポーツ史。主な論文に、「第9回極東選手権競技大会における英領インド代表旗問題」『スポーツ史研究』(第27号)、「日本における第10回極東選手権競技大会ボイコット運動の展開」『体育学研究』(第61巻第1号)がある。

ミエリン鞘はとも呼ばれ、軸索に巻き付いて絶縁体として働く構造である。これにより神経パルスはミエリン鞘の間隙を跳躍的に伝わる(跳躍伝導)ことで神経伝達が高速になる。ミエリン鞘は末梢神経系の神経ではシュワン細胞、中枢神経系ではオリゴデンドロサイトから構成される。

脳の中にある空洞のこと。脳脊髄液で満たされている。脊髄にあるものは中心管と呼ばれる。

神経堤細胞は脊椎動物の発生時に見られる神経管に隣接した組織。頭部では神経、骨、軟骨、甲状腺、眼、結合組織などの一部に分化する。

細胞の生体膜(細胞膜や内膜など)にある膜貫通タンパク質の一種で、特定のイオンを選択的に通過させる孔をつくるものを総称してチャネルと呼ぶ。筒状の構造をしていて、イオンチャネルタンパク質が刺激を受けると筒の孔が開き、ナトリウムやカルシウムなどのイオンを通過させることで、細胞膜で厳密に区切られた細胞の内外のイオンの行き来を制御している。刺激の受け方は種類によって多様で、cGMPが結合すると筒の穴が開くものをcGMP依存性イオンチャネルと呼ぶ。TRPチャネルも複数のファミリーからなるイオンチャネルの一群であり、非選択性の陽イオンチャネルである。発見された際に用いられた活性化因子の頭文字や構造的特徴から、A (Ankyrin), C (canonical), M (melastatin), ML (mucolipin), N (no mechanoreceptor), P (polycystin), V(vanilloid)の7つのサブファミリーに分類されている。TRPは、細胞内や細胞外の様々な刺激によって活性化してセンサーとして働いたり、シグナルを変換したり増幅したりするトランスデューサーとしての機能も併せ持つ。温度センサーやトウガラシに含まれるカプサイシンのセンサーとしても機能していることが知られている。

任意の遺伝子の転写産物(mRNA)の相同な2本鎖RNAを人工的に合成し生物体内に導入することで、2本鎖RNAが相同部分を切断して遺伝子の発現を抑制する手法。2006年には、この手法の功績者がノーベル生理・医学賞を受賞している。

様々な動物種間で塩基配列やアミノ酸配列を比較することによって、類似性や相違を明らかにする手法。この解析によって動物種間の近縁関係や進化の過程を予測することが可能になる。

発生過程で神経管を裏打ちする中胚葉組織であり、頭索類・尾索類では背骨のような支持組織としての役割を持つ。脊椎動物では運動ニューロンの分化を誘導するなど発生学的役割を持つ

魚類に顕著にみられる鰓のスリットで、哺乳類では発生の初期にはみられる。発生が進むと複雑な形態形成変化が起き、消失するが、外耳孔などは鰓裂の名残ということができる。

動物の初期発生において最初の形態形成運動として原腸陥入が起こる。原腸は消化管に分化する。この原腸陥入によって生じる「孔」を原口と呼ぶが、これが将来の動物の体の口になるのが前口動物であり、肛門になるのが後口動物である。半索動物、脊索動物は後口動物である。

ナマコの幼生のことをオーリクラリア幼生と呼ぶが、ウニのプルテウス幼生、ヒトデのビピンナリア幼生、ギボシムシのトルナリア幼生など、形態的共通性をもつ幼生全体をまとめてオーリクラリア(型)幼生と呼ぶ。今日ではディプルールラ型幼生という呼び方が広く使われている。この説はガルスタングが1928年に提唱した。その時代にはオーリクラリアという用語が使われたため(ディプリュールラ説ではなく)オーリクラリア説と呼ばれている。

Hox遺伝子はショウジョウバエで発見されたホメオティック遺伝子の相同遺伝子である。無脊椎動物のゲノムには基本的に1つのHoxクラスターがあり、脊椎動物のゲノムには4つのHoxクラスターがある。Hoxb1は4つあるクラスターのうちのBクラスターに属する1番目のHox遺伝子という意味である。

脊椎動物胚の後脳領域には頭尾軸にそった分節性(等間隔の仕切り)がみられる。この各分節をロンボメアと呼び、図14に示すように7番目までは形態的に明瞭に観察できる。

脊椎動物のゲノムにはふたつか3つのIsletが存在する。Isletは脳幹(延髄、橋、中脳)の運動性脳神経核に発現して、運動ニューロンの分化に関与している。

感桿型では光刺激はホスホリパーゼCとイノシトールリン酸経路を活性化させる。繊毛型ではホスホジエステラーゼによる環状GMPの代謝が関与している。

気嚢による換気システムは獣脚類と呼ばれる恐竜から鳥類に至る系統で段階的に進化していったと考えられる。

このような特異な形態は胚発生期には見られず、生後に発達する。その過程は頭骨に見られる「テレスコーピング現象」と並行して進む。

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