世界のいたるところに生息している昆虫が、なぜ海の中にいないのでしょう?
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海に限らなければ、淡水の水中でくらす昆虫はよく知られています。
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ではなぜ、海中にくらす昆虫はほぼいないのでしょうか?
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※今回のメルマガはリクエストをもとに書いています。
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海でくらす昆虫がほぼいない理由として、呼吸の問題が指摘されます。
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タガメなどは,尻から伸びる呼吸管によって呼吸を行います。
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ただ、このような方法であれば、海水・淡水、いずれでも呼吸ができそうではないでしょうか?
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水面より上に呼吸するための器官を出せばいいのですから。
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ではなぜ、そのような呼吸をする昆虫が海にいないのでしょうか。
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海には干満の差や波が存在しますね。
海のこうした特徴が安定した呼吸を妨げると指摘されます。
上下に波打つ水面では、確かに呼吸は難しそうですね。
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他の理由には、塩分による浸透圧などいくつか挙げられそうですが、呼吸にかぎって言えば、このような事情があるようです。
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ではなぜ、そもそも海中でもくらせるように進化しなかったのでしょうか。
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そのあと、さまざまなグループに分かれて進化します。
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そのグループは陸上生活に適応していき、昆虫として多様化したとされます。
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ただ反対に、陸上に進出せず、そのまま海に残って多様化したグループもいます。
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例えば昆虫の近縁なグループの甲殻類(こうかくるい)。
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このグループは昆虫と同じ、節足動物を祖先に持ちます。
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ただ、昆虫のように陸上進出はせず、主に海で多様化しました。
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節足動物からは、陸上に進出し多様化したもの、海中に残り多様化したもの、それぞれの生存条件に応じて発展してきたと言えそうです。
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・昆虫と祖先を同じだが海中に残ったものに甲殻類がある
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・大場裕一他編『遺伝子から解き明かす不思議な昆虫の世界』(悠書館)
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