働きバチは自分の子どもを残すことなく、集団のために献身的に働きます。
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利他的に見えるこの行動、その行動の理由はある生物学者によって解明のきっかけが作られます。
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ウィリアム・ドナルド・ハミルトンは、生き物の利他的行動に対する回答を提案します。
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それによれば、「自らの子孫を残すことだけが生き物の目的ではない」とされます。
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生き物にとって重要なのは、「自身の遺伝子をどれだけ残すか」とされます。
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ダーウィンなどによる従来の自然選択説は、個体自身の繁殖のみに注意がいきがちでした。
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しかし、血縁選択説によって、遺伝子を共有する血縁グループの繁殖に焦点が当てられるようになります。
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これよって、利他的な行動が説明されるようになります。
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利他的行動は特に、真社会性昆虫のアリ・ハチ類にみられますね。
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特に際立った例が、近年、ドイツの研究チームによって発表されました。
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それによれば、負傷した仲間を救護するアリがいるようです。
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アフリカに生息するマタベレアリ(Megaponera analis)。
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このアリは1日に2〜4回、シロアリの巣を襲撃します。
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しかし、シロアリも黙ってやられている訳ではありません。
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その強力な下アゴを使って、マタベレアリに反撃します。
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この反撃によりマタベレアリにも負傷する者がでます。
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戦場の救護兵さながら、仲間のマタベレアリが負傷アリからのSOSフェロモンを察知して向かいます。
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そのとき負傷アリは救護アリの負担にならないよう、じっと動かず、大人しく巣まで運び込まれます。
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しかし、中には救護しようとしても暴れて拒否するものがいるようです。
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拒否行動をするアリは決まって、大怪我を負っています。
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大人しく救護されるのは1〜2本程度の、軽めの怪我を負ったアリ。
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大怪我したアリは自ら拒否行動をとることによって、血縁集団の大事なリソースを無駄にしないようにしているとされます。
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・マタベレアリには負傷した仲間を助ける救護アリがいる
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・大怪我を負った重体アリは救護を拒否し血縁集団に良い結果をもたらす
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