多くの昆虫には、他の生き物と共生することが知られています。
|
なかでもハチでは、自分の体の中に微生物を住まわせているものもいます。
|
たとえば、キバチには「担子菌」という菌が共生しています。
|
自分の限られた体の一部を与えてまで、一緒に生活するメリットがあるのでしょうか。
|
母となる雌キバチは、木に産卵管を刺して、卵を中に生みつけます。
|
のちに、ふ化した幼虫は、この木の中で、木をエサとして食べて成長します。
|
木には、セルロースやリグニンといった、分解されにくい物質を多く含まれます。
|
このままの状態では、幼虫が消化できず、栄養源として利用できません。
|
ここで、母キバチは生まれてくる子のために、二つの細工をしておきます。
|
一つは、産卵と同時に、木を弱らせる働きを持つ毒液(ミューカス)を木に送り込みます。
|
これにより、キバチ幼虫は栄養源として摂取できるようになります。
|
ただこの端子菌、母キバチはどこから持ってくるのでしょうか。
|
実は、産卵時に打ち込む担子菌は、雌のお腹に住んでいます。
|
お腹の中に、マイカンギア(mycangia、菌嚢)と呼ばれる袋の中にいます。
|
いざ産卵!というときに同時に送りこまれる仕組みですね。
|
この担子菌がないと、幼虫は木を食事することができません。
|
また菌はキバチが自分を運んで新しい木、つまり宿主に植え付けてくれます。
|
・母キバチは産卵の時に毒液と担子菌を同時に送り込む
|
|
---------------------------
|
・前藤薫編著『寄生バチと狩りバチの不思議な世界』2020年、一色出版
|
===========================================
|
https://www.isshikipub.co.jp/mailmagazine-archive/
|
|
===========================================
|
『寄生バチと狩りバチの不思議な世界』前藤薫(編著)、2800円+税、オンライン版付き 『遺伝子から解き明かす脳の不思議な世界』滋野修一・野村真・村上安則(編著)、4500円+税、オンライン版付き 『遺伝子から解き明かす性の不思議な世界』田中実(編著)、4500円+税、オンライン版付き 『遺伝子から解き明かす魚の不思議な世界』神田真司(編著)、4500円+税、オンライン版付き 『遺伝子から解き明かす鳥の不思議な世界』上田恵介(編)、4500円+税、オンライン版付き 『ヒトゲノム事典』斎藤成也他(編著)、12,000円+税、オンライン版付き
|
https://ws.formzu.net/dist/S93315378/
|
返信いただけましたら次回からの執筆に反映させていただきます。
|
メールマガジンの解除は下の「購読中止」をクリックください
|
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
|
株式会社 一色出版 Isshiki publishing
|
〒112-0001 東京都文京区白山2-2-6 -402
|
TEL 03-6801-6905/FAX 03-6801-6915
|
https://www.isshikipub.co.jp/
|
https://twitter.com/isshiki_shuppan
|
|