卵は木の幹の中でかえり、そのまま幼虫は木の中で成長していきます。
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周りをエサに囲まれ、何一つ不自由なく成長していきます。。。
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そうなればいいのですが、そこまで問題なく、ことは進まないようです。
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木はセルロースやリグニンといった、分解されにくい物質を多く含まれます。
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そのため、このままでは幼虫はエサとして利用できません。
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母キバチは子どもが木を食べられるように、産卵の時に工夫をします。
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産卵のために、母バチは日頃からお腹である生き物を飼っているようです。
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担子菌は木を分解、液状化してくれる働きを持ちます。
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おかげで、幼虫は木を食べることができるようになります。
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いかに担子菌が、キバチの生活に必須のものか、わかりますね。
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進化を通して、「お腹の中で菌を飼う」というスタイルが確立したのでしょう。
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木に卵を生み付けるハチでも、このような菌を持っていない種類もいます。
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彼らはどのように卵を産み、幼虫はどのように成長するのでしょうか。
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菌を持っていない種類に、クロヒラアシキバチというハチがいます。
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ケヤキやサクラ、モクレンなどの広葉樹を宿主とします。
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クロヒラアシキバチの母バチが卵を生み付けるのは、特定の条件を持つ木です。
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彼女たちは、決まって、ミダレアミタケというキノコが自生する木に産卵します。
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やはり、木質を分解して、キバチ幼虫が食しやすくなる働きを持ちます。
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そのため、母バチはこのキノコのある木を選択して、産卵することになります。
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どうやら、クロヒラアシキバチは「お腹の中で菌を飼う」というスタイルを失ってしまったとされます。
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・キバチには「お腹の中で菌を飼う」というスタイルを確立した種類がいる
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・前藤薫編著『寄生バチと狩りバチの不思議な世界』2020年、一色出版
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