特に子ども想いの昆虫に寄生バチの親が挙げられます。
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人間では母乳または食べやすい食事を親が作ってくれます。
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電子レンジなどで加工して、食べやすく消化しやすくしてくれますね。
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ただ、寄生バチの母親はそのような手法は取りません。
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寄生バチであるカリヤサムライコマユバチの母バチは、
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カリヤサムライコマユバチに生みつけられる相手は、ガの一種アワヨトウ、その幼虫です。
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ただ、母バチが新鮮なエサの中に生みつけて、おしまいというわけにはいきません。
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でも、相手は生きていて、どんどん蛹化に向かっています。
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母バチから子供へのプレゼントがこの難問を解決してくれます。
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アワヨトウ幼虫の体内で、あるホルモンの分泌を邪魔します。
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母バチは産卵と同時にウイルスも産みつけていたのです。
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蛹にならないアワヨトウ幼虫を、カリヤサムライコマユバチの幼虫は食べ尽くします。
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ウイルスによって成長が邪魔され、蛹にならないのは好都合です。
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しかし、成長が邪魔されたおかげで寄生相手の体が小さいままです。
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またしても難問、どのようにハチは解決するのでしょうか?
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アワヨトウ幼虫はウイルスが侵入したせいで食欲減退します。
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でも、エサが小さいままでも、ハチの幼虫だけは栄養をきちんと確保できます。
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というのは、栄養がハチ幼虫自身に高い割合でいくように、ウイルスが寄生相手の代謝の仕組みを変化させます。
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そのために、母の体内でウイルスを飼い慣らすというしくみが進化したかもしれません。
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・カリヤサムライコマユバチは母バチ体内でウイルスを育てている
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・ウイルスは寄生相手の体内で成長を操作し蛹にさせない
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・寄生相手の代謝を変化させ幼虫は高い割合で栄養を獲得できる
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今回の内容は、前藤薫編著『寄生バチと狩りバチの不思議な世界』(2020年、一色出版)をもとにしています。
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- 『寄生バチと狩りバチの不思議な世界』前藤薫(編著)、2800円+税、オンライン版付き
- 『遺伝子から解き明かす脳の不思議な世界』滋野修一・野村真・村上安則(編著)、4500円+税、オンライン版付き
- 『遺伝子から解き明かす性の不思議な世界』田中実(編著)、4500円+税、オンライン版付き
- 『遺伝子から解き明かす魚の不思議な世界』神田真司(編著)、4500円+税、オンライン版付き
- 『遺伝子から解き明かす鳥の不思議な世界』上田恵介(編)、4500円+税、オンライン版付き
- 『ヒトゲノム事典』斎藤成也他(編著)、12,000円+税、オンライン版付き
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