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現在、制作中の『コウチュウたちの不思議な世界』から、
今回は「ジョウカイモドキからの挑戦状：キミはこの謎を解けるか？」
から一部を紹介をしていきたいと思います。
筆者は浅野真氏（帝装技術部）。
おはようございます。
一色出版の岩井峰人から、
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日本産ジョウカイモドキ雌は一般的に、
10〜40個の卵を産むことが知られています。
一度にこれほどの数を産むのでなく、
1〜7回に産み分けています。
その卵は、通常は2週間ほどでふ化に至るようです。
また従来、幼虫は少なくとも2回、
越冬するとされていました。
しかし、近年の調査結果から
割と短期間でふ化するものもいるのが
わかってきたようです。
早い幼虫だと50日ほど、
長いものだと700日以上と、
かなり幅があることが指摘されています。
蛹化までは6回、または9回、
脱皮が行われます。
また蛹期は7〜10日と、
割と短い期間であることがわかっています。
なぜ、このようにふ化までの期日や
蛹期の幅があるのでしょうか。
「こんなにも多様化した生活環は、
おそらく生息環境の多様さと
密接に関わっているのだろう」
とされます。
ジョウカイモドキ科は、
北は北極海のウランゲリ島、
南はオセアニアのオークランド諸島まで、
生息域を広く持っています。
また草原や森林はもちろん、
ツンドラ、高山、砂漠、塩湖、火山島など、
厳しい環境にも生息していて、
様々な環境への適応の一つと考えられています。
これだけ広域の生息地域をもち、
多様な発達プロセスを持っているジョウカイモドキですが、
一つ、クサジョウカイモドキ亜科というグループには
共通する特徴が指摘されています。
それは、「胚胎幼虫期」という言葉で示されます。
これは、ふ化するとき、まだ幼虫という形態を
しっかりと取っていない段階で卵殻から出てくることを
さしています。
通常、甲虫は幼虫の形態を完成させたあと
卵から出てきます。
しかし胚胎幼虫という形態は、
表皮がとても薄いため全身半透明で、
腹部にはオレンジ色の卵黄が透けて見えるという状態です。
「昆虫というより、まるで海に住むクリオネのように
実に可憐な外観をしている」
と表現されています。
では、このように胚の状態を保持したまま生まれた幼虫は、
その後、どのように成長していくのでしょうか。
まず、生まれてから1〜5日間は、
生まれた場所でじっとしているままのようです。
この期間は、口器が未発達のため、
摂食もできません。
また脚もきちんと分節されてなく、
歩行もできない状態です。
そのため、消化管内に残った卵黄を消化して
発育します。
その後、1〜2回の幼虫脱皮を経て、
幼虫の一通りの器官が完成したのち、
歩けるようになり、摂食活動ができるようになります。
また順次、本書の紹介をしていきたいと思います。
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『寄生バチと狩りバチの不思議な世界』
（前藤薫編／324ページ／2800円+税）
https://ws.formzu.net/dist/S93315378/
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なお、ハチたちの綺麗な写真がたくさんありますが、
紙の本ではモノクロで掲載になると思います。
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本を買った際には、オンライン版を利用することを、
お勧めします。
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