葉に潜り、それを食す昆虫は潜葉性昆虫と呼ばれます。
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この絵かき虫は、チョウ目、ハエ目に多く見られます。
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一方で、コウチュウ目ではわずかな種類しか見られないようです。
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タマムシ科では、中でもケヤキの害虫であるヤノナミガタチビタマムシなどの生態が知られています。
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ヤノナミガタチビタマムシは、体長3 〜 4 mm、背中に波形模様を持つのが特徴です。
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卵からふ化した幼虫は、卵と葉の接着面から葉に潜り込みます。
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初夏の頃になると、ケヤキの葉が部分的に茶色っぽく変色しているのが見たことはないでしょうか。
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その犯人は、このヤノナミガタチビタマムシ幼虫と言えそうです。
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なお、ヤノナミガタチビタマムシは成虫になっても葉を食し続けるようです。
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一方で、ゾウムシでも複数の系統で「絵かき」という習性が発達したものがいます。
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中でも、ガロアノミゾウムシは少し変わった絵かきをするようです。
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というのも、この種は「円盤」を作るとされているようです。
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ガロアノミゾウムシ幼虫は、葉の表面と裏面の間にある組織を食していきます。
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言ってみれば、この葉の組織がどら焼きのあんとたとえられるでしょう。
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十分に食し、成長すると、円形にあんを食された葉の表面と裏面を接合します。
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切り抜かれた円形状の葉は地上に落下し、その中にいる自分も一緒に落下します。
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今度は自分がどら焼きのあんにたとえられるかもしれません。
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しかもこのどら焼きは動くことができます(少しですが)。
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十分に成長した幼虫はその円盤の中で蛹になるとされます。
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・絵かき虫のコウチュウ目にタマムシ・ゾウムシ・ハムシ科がいる
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・ケヤキの葉が変色・落葉するのはヤノナミガタチビタマムシが犯人の一人
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・ガロアノミゾウムシは円盤状の葉と一緒に落下し蛹になる
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今回の内容は、広瀬俊哉『絵かき虫の生物学』(H23、北隆館)をもとにしています。
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