日本には多くの種類の昆虫がいることが知られています。

その理由には、
・南北に長い列島となっていること
・寒冷な地域から亜熱帯地域を持つこと
・3000m級の山岳があり標高差が著しいこと
などが、昆虫の多様さをうながしているようです。

このような日本の昆虫は、国内で種類が分化したものがいます。

一方で、中国大陸や朝鮮半島から移り渡ってきてきたものがいます。

これら移入してきた昆虫が、さまざまな移入ルートで渡ってきたことも、大きな理由となっているようです。

では、日本の昆虫はどのようなルートで渡ってきたのでしょうか。

おはようございます。
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そもそも、日本の昆虫は、どのような起源を持つのでしょうか。

主にわかっているのは、日本列島が大陸から引き裂かれるようにして形づくられてきたときに、陸の塊に乗っかってきたとされます。

日本列島が引き裂かれてできたこの時期から長い年月がたち、日本の固有種とされるようになったものが多いとされています。

では、この古い時期から日本にいた昆虫が、どのように分化していき、現在のような昆虫相ができてきたのでしょうか。

日本固有種からどのように分化していったのかという議論が盛んだった昆虫に、ギフチョウがあげられます。

ギフチョウとは、主に関西や日本海沿岸部で見られる普通種のチョウですね。
Luehdorfia_japonica_on_Rhododendron_farrerae
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ギフチョウ。年1回、春に他のチョウに先駆けて羽化し、スミレ、カタクリの花で吸蜜する
Hime_Gifchou_20080407_Aomori_Japan
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ヒメギフチョウ。年1回、春に羽化し、スミレ、カタクリ、エゾノリュウキンカの花で吸蜜する

日本の昆虫相は、国内での分化と同時に、さまざまな移入ルートによって複雑に分化が進んだことがうかがわれます。



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今回の内容は、東城幸治・伊藤建夫「日本の地理と昆虫相の形成」『遺伝子から解き明かす昆虫の不思議な世界』(2015年)をもとにしています。



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