ただ決闘で大あごを使うのはクワガタムシに限りません。
|
狩りバチでも、クワガタ同様、大あごを使って戦われているようです。
|
オオキバドロバチは主にカメルーンにすむ大型の狩りバチ。
|
大あごを含めると、4センチ以上になるものもいるとされます。
|
日本で見られるオオスズメバチが4センチ前後ですので、
|
オオキバドロバチは「狩り」バチの名にふさわしく、この大あごを使って獲物を捕まえます……
|
巣から出てくるメスと一番に交尾しようと、多くのオスが決戦場へと飛来します。
|
侍の刀のごとく、決闘のために、いよいよ使うときです。
|
巣にぶら下り、または飛翔して、4〜5個体のにらみ合いがしばらく続きます。
|
羽化直前の蛹が動くことで、泥で作られた巣に振動が起きます。
|
それを感知したオスが、羽化の近いことを察するようです。
|
さて決闘は、他の昆虫や動物で見られるような、「武器が大きいオスに相手が降伏する」という、形式的な戦いではありません。
|
生死をかけて侍同士が切り合うように、オスたちは激しく戦います。
|
大あごを使った取っ組み合い、巣に近づく相手を投げ飛ばす。
|
ここでクワガタムシと異なるのは、ハチの飛翔能力が発達していることです。
|
飛ぶことに優れたハチ相手に、「投げ飛ばす」意味はあるのでしょうか。
|
投げ飛ばされたハチは、やはり飛んで決戦場に戻ってきます。
|
勝ち残ったオスが、羽化直後のメスとはれて交尾に至ります。
|
では敗れたオスは子孫を残すチャンスがないのでしょうか。
|
決闘の最中でも、オスは複数へと巣に行ったり来たりします。
|
複数の巣でメスが羽化するタイミングを見計らっています。
|
同時に、自分が勝ち残れそうな決戦場を探しているわけです。
|
・カメルーンのオオキバドロバチは大あごを使ってオス同士争う
|
|
今回の内容は、田付貞洋他『アフリカ昆虫学』(2019年、海游舎)をもとにしています。
|
|
===========================================
|
https://www.isshikipub.co.jp/mailmagazine-archive/
|
|
===========================================
|
返信いただけましたら次回からの執筆に反映させていただきます。
|
メールマガジンの解除は下の「購読中止」をクリックください
|
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
|
株式会社 一色出版 Isshiki publishing
|
〒112-0001 東京都文京区白山2-2-6 -402
|
TEL 03-6801-6905/FAX 03-6801-6915
|
https://www.isshikipub.co.jp/
|
https://twitter.com/isshiki_shuppan
|
|