ノコギリ、ミヤマ、ヒラタなど、いくつかの種がいますが、
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世界にはおよそ1500種のクワガタムシがいるとされています。
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では1500種もいるクワガタムシは、世界にどのように分布しているのでしょうか。
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東南アジアに3分の2の種が集中しているとされています。
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というのも、クワガタムシは見た目では違いがわかりづらい昆虫です。
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例えばチョウであれば、翅の斑紋・模様によって違いを見分けるのに便利そうです。
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クワガタムシであれば、特徴である大アゴのサイズ・形を目印に分類できるかもしれません。
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とは言っても、1500種も正確に分類するのは難しそうですね。
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このような問題を解決するのに便利なのが、遺伝子を目印にした分類。
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日本にいるクワガタムシ7種の遺伝子を目印にして分類した報告があります。
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①ヒタラクワガタ、②オオクワガタ、③コクワガタ、④スジクワガタ、⑤アカアシクワガタ、⑥ノコギリクワガタ、⑦ミヤマクワガタ。
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これら7種のクワガタムシには、特定の遺伝子に違いがあります。
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その違いを目印に、7種の進化のようすを明らかにしました。
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進化のようすから分かることは、生物としての近さ・遠さと言えるかもしれません。
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霊長類で言えば、ヒトはオランウータンと遠く、チンパンジーと近いとされます。
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7種のクワガタムシでは、ヒタラクワガタとノコギリクワガタが最も遠くコクワガタとスジクワガタが最も近いということがわかりました。
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では、7種のクワガタムシはどのような進化の歴史を歩んできたのでしょうか。
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例えばヒトはチンパンジーなど、他の霊長類から進化の歴史で分かれました。
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まず最も古くからいて、祖先とされるのがオランウータン。
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その後、チンパンジーが分かれ、チンパンジーからヒトが分かれるに至りました。
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同じように、クワガタムシも進化の歴史で古い種、祖先から分かれてきました。
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この7種の中で最も古くからいる種、祖先となる種はヒラタクワガタ。
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ヒラタクワガタから4種(オオクワガタ、コクワガタ、スジクワガタ、アカアシクワガタ)がまず分かれます。
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その後にノコギリクワガタ、最後にミヤマクワガタが分かれました。
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では、いつ頃、祖先であるヒラタクワガタから他の種が分かれたのでしょう。
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ヒトがチンパンジーから分かれたのは500万年ほど前とされます。
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ヒラタクワガタから他の4種が分かれたのも、同じく500万年ほど前。
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最初に分かれた4種はヒトと同じほどの進化の歴史を持つようですね。
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今回のクワガタムシのように、昆虫の分類は難しいものの、
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その醍醐味や具体的な分類方法、アマチュア昆虫ファンによる分類などを語るシンポジウムが開かれます。
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公開シンポジウム「ムシを極める!昆虫分類学のフロンティア」
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(日本昆虫科学連合主催、2022年6月18日(土)13:00〜16:45(予定)、ウェビナー形式(オンライン)での開催)
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プロの専門家以外の方も楽しめるようですので興味ある方はぜひ。
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シンポジウムの詳細および申し込みサイトはこちらです。
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http://www.insect-sciences.jp/conferences/domestic-conferences/12.html
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今回の内容は、松岡教理・細谷忠嗣「日本産クワガタムシの分子系統学的研究」
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https://www.isshikipub.co.jp/mailmagazine-archive/
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