編者:斉藤成也ほか/11/10発売/A5上製/448ページ/本体12,000円
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トウヨウミツバチは日本や東南アジア、インド全域含め、アジアに広く生息しています。
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中でもニホンミツバチはトウヨウミツバチの生息域でも北限に位置しています。
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なぜ、このような寒さの厳しい地域まで生息域を伸ばすことができたのでしょうか。
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その理由は、木のうろ(空洞)という閉鎖空間に巣を作ることが挙げられました。
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さらに、巣の作りが複数の板からできていることも挙げられます。
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これらの点によって、寒さ厳しい中でも暮らし続けることができたようです。
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一方でトウヨウミツバチはインドネシアの南端にまで生息域を伸ばしています。
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インドネシアは一年を通した平均気温は28度ほどです。
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このような暑さの中でも暮らしていくには、巣内を冷房し、温度調整する機能があるはずです。
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ニホンミツバチは、どのような仕組みを進化させたのでしょうか。
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ニホンミツバチが行う冷房には、水を巣内で蒸発させ、気化熱を利用した方法が知られています。
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真夏の暑さ厳しい時期には、水辺で吸水し真っ直ぐに巣に帰るニホンミツバチがいます。
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しかし、水を持ち帰るとは言っても、桶のような便利な道具はありません。
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ここで利用するのは、いつもは花蜜を入れる蜜胃という器官です。
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いつも蜜を入れている胃に水を入れているため、蜜を飛翔時の燃料に使えなくなります。
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そのため、真っ直ぐに巣に帰るようにして、途中で燃料切れにならないようにしているようです。
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いつもはなるべく濃い蜜を集め、多くの栄養を巣に持ち帰ろうとします。
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この時に出る気化熱を利用して、巣内の温度を下げるという工夫をしているようです。
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小さな体でせわしなく飛んでいるように見えるニホンミツバチですが、なかなか凝った工夫をしているようですね。
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日本では暑い日にする、打ち水という習わしがあります。
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ミツバチでも薄い蜜は、打ち水のように巣の壁に塗られ冷房として利用されるようです。
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このような冷房効果はとても高いことが知られています。
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気温30度を上回るような酷暑日では、ハチのいない空巣では、巣内は40度以上に上ります。
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しかし何万というハチが活動している巣内でも、このような工夫が施されると、35度という標準温度の上昇から2度以内に抑えられています。
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対して扇風の時には毎秒150から200回ほどになるとされます。
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飛翔時にくらべ、ややゆっくりとあおぐことによって風を起こし、換気を促しています。
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少しゆっくりあおぐことで、飛翔する時に使う筋肉(飛翔筋)の温度が上昇するのを防いでいるとされます。
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今回の内容は、佐々木正己『ニホンミツバチ』(海游舎、2011第2版)をもとにしています。
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